へぶんずぷれいす

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


→ 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 部キャプ □

はにー

***はにー***


[良かったら今度の土曜日。私の家で、勉強しない?]
とメールを送ったのは、木曜日で。
返事が来たのは、金曜日で。
[ごめんなさい、送ったと思ったら、送れてなかったみたいで、ごめんなさい。
土曜日、大丈夫です。上埜さんに会いたいです。よろしくお願いします。]

会いたい。

と、どんな気持ちで送ってくれたのだろうか。
それだけで、顔がにやけて止まらなくなった。


明日は、特別な一日になる。
予感ではなく確信で―――。


―――というわけで。


2月13日土曜日。


外は、ちらちらと雪のちらつく、寒い日。
午後2時ちょっと前に美穂子を招き入れ、いつの間にか時計は3時半を告げようとしていた。

「んーっ。美穂子、そろそろちょっと休憩しましょうか?」
「あ、はい、そうですね。」
「ちょっとまってて、今、お茶入れてくるから。」
「あ、私も手伝います。」
「いいのよ、お客さんは座ってて。」
立ち上がろうとする美穂子をせいして、キッチンに立つ。
その際、何か音をとラジオを入れる。
DJが軽快な口調でリスナーからの手紙を読み上げる。
内容は、明日のバレンタインのものらしい。
「はい、お待たせ。」
「ありがとうございます。」
「熱いから気をつけてね。」
「はい。」
ふーっと温かい湯気が上がる。
「ん、美味しい。」
「そう?良かったわ。」
にっこりと微笑み、美穂子を見つめる。
目と目が合うと、美穂子は恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「………。」
「………。」
言葉も無く、見つめて、机に置かれた手に手を重ねた。


シャラララ~♪


その時、ちょっと陽気で甘いメロディーが流れた。
「あ。」
「ん?」
「これ、知ってます。」
「あぁ、季節感じるわよね、これ聞くと。」
「はい、それに、かわいくて好きです。」
「そうね。」
「~ohだーりん…」
流れてくるメロディーにあわせて、ふいに口ずさむ。
「なぁに?」
「あ!え!?」
「ん、続けて。」
すっと、心に入ってくるような優しくて意地悪な眼差しで、
美穂子を見つめて続きをお願いする。
「だーりん…あい…」
「………。」
「あいらぶゆー…」
「ありがとう。」
にっこりとまた微笑んで、きゅっと重ねた手に力を入れる。
「!?」
「いいわねー、すんごい癒された。」
「そんな…上埜さん…。」
恥ずかしがってうつむく。
「んー?あ、美穂子。」
「?はい。」
「今日から、ダーリンって呼んで?」
「え、えぇぇぇ!!」
「あら、ダメなの?さっきのすっごく可愛かったんだもん。」
気に入ったから呼んでほしい。
と続ける久に、美穂子は耳まで真っ赤にしてまたうつむいてしまった。
「そんな…そんなの恥ずかしいですよ。」
「えー、やだやだー言ってほしいー。」
「そっ、そんな子供みたいに言わないでください、上埜さん!」
「違うわー美穂子。だーりん♪」
「――――!!」
見つめられぼんっと音が出たように赤く染まる頬は、火が吹きそうなほど。
「あっははは。」
「もう!からかってるんですね!?」
繋がれたままだった手を解き、横を向いてしまった美穂子。
久は立ち上がり、美穂子の隣に腰を下ろす。
「からかってなんてないわ。そう呼んでほしいのよ。」
耳元で囁く優しい声。
「は、はずかしいですよ…。」
消え入りそうにかすれる。
「んー。じゃぁ、こうしましょう。」
「?」
「私が、美穂子のことダーリンって呼ぶわ!」
「!?そういうことじゃ…」
「ダーリンじゃいや?ハニーがいい?あ、ベイビーなんていうのもいいわね!」
「だ、だから、そういうことじゃないですよ!!」
まくし立てる久に慌てて否定をするのだけど、
「美穂子はわがままね。わがままだから、ハニーがいいわね♪」
さっきより間近で、にっこりと微笑み、さらりと美穂子の顔にかかった髪を耳にかけ、
不意打ちのキスをする。
「――っ!!――――っ!!!」
「ハニー、そんなかわいい顔してどうしたの?」
「ハ!だから、そういうのや――」
「あ、そうそう。はい、ハニーこれ。」
「――めて…。え?」
ふいっと美穂子の攻撃を避け、ぽんっとその手の平に綺麗にラッピングされた箱を渡す。
「一日早いけどね。」
「え、これって、その…。」
久の突然のプレゼントに、怒っていた事も忘れて目を見開く。
「ん。チョコレートよ。結構自信作なんだから。」
「!?て、手作りしたんですか!?」
ぎゅっと箱を胸元に抱いて、久を見上げる。
「あったり前じゃないの。可愛くてだーい好きなハニーの為ですもの♪」
にっこり微笑んで、ウインクを一つ。
「…………。」
胸が高鳴り、じんわりとしたものが込み上げてくる。
「……どうして泣くかなぁ?」
ぽろりと頬を伝う涙を指ですくい、苦笑いを浮かべる久。
努力家で恥ずかしがりやで、泣き虫で…。
「ご、ごめんなさい…。」
ごめんなさいが口癖で…、そのすべてが愛おしいと感じる。
「あの、嬉しくて…なんか、自然に…。」
「…ん、わかってるわ。」
「……。あっ、私も…これを…。」
バッグの中から、綺麗にラッピングされた箱を取り出し、久に手渡す。
「あら、キレイ。ありがとう、ハニー♪。」
「いえ、お口に合うかどうか、心配ですけど…。」
「ハニーが作った物だもの、口に合わないなんてないわ。」
「そんなことないですよ…。」
「いーえ、そんなことあるの!でも、これきっと勿体無くて食べられないわ…。」
宝箱を見るように眺めてから、そっと机に置く。
「…あ、それは私も…です。出来ればずっととって置きたい…。」
その動きを美穂子は目で追い、貰った箱をそっと指で撫でた。
「そう言って貰えると嬉しいわ、ハニー。」
その指先に、久の指が触れて、視線が絡まる。
途端に、また頬を赤く染めて。
「………あのっ。」
「ん?なぁに、ハニー?」
「……それいつまで続くのですか?」
「それ?」
「…は…ハニーって…。」
熱があるのではと思うほどに。
そんな姿が、かわいくてかわいくて、ついつい意地悪な言葉しか出てこない。
「あぁ。ハニーって可愛くて美穂子にぴったりよ?」
「!?」
「だからー、当分続けようかしらね?」
「―――――っ。」
「……ふふっ。」
本当にあまりにも可愛らしくて、耐え切れずに吹き出してしまう。
「もう!そうやって楽しんで…。」
すねて久に背を向けてしまった美穂子。
髪の隙間からちらりと見える首筋まで赤い。
「んー、じゃ、こうしましょう。」
「?」
「ハニーも私のことダー…」
「それじゃ、同じじゃないですか!?」
「あははっ、バレたか。」
「バレたとかバレないとかそういうことじゃなくて、そもそも――っ!?」
背中を向けたまま、久の提案に異議を唱え続けようとする美穂子。
華奢で薄いそんな背中から、久はぎゅっと美穂子を抱きしめる。
「……ねぇ。」
そして、耳元で出来る限りの甘い声で、ささやきを落とすと。
「―――――っ!」
がちんと強張る身体。
手をとり、緊張が解けるようにと指を絡ませる。
「…………。」
「…う、上埜さん…?」
「今日、泊まっていってくれる?」
「え!?…あの…。」
突然の申し出に、頭がパニックになる。
後ろにいる久に聞こえるんじゃないかというほどに、心臓が激しく鼓動を刻む。
「これから受験まで日が無いし、受験が終わったとしてもいろいろと忙しくなる。
そう考えたら…。」
そこまで言って、久は美穂子を振り向かせ、しっかりとその瞳を見つめ言葉を紡ぐ。
「明日…、朝まででいい、一緒にいたい。」
「上埜さん…。」
「後、それ。」
「え?」
「久って呼んで欲しい。」
「……………。」
「それと、目。隠さないで欲しいの。その目で私を見て、その唇で私を呼んでほしい。」
「……っ…。」
右瞼をそっと撫でられ、親指で唇に触れる。
「そうしたら、ハニーって呼ぶのはやめるわ。」
「ず、ずるいです。そんな交換条件…。」
「そうかしら?」
「そうですよ!…でも……。」
「………ん?」
「私も…一緒にいたい。」
「うん。」
「…上埜さん。」
「なぁにハニー?」
「っ!また…。」
「ふふ、久って呼んで?」
意地悪。
意地悪。
「ひ…久っ。」
「うん、なぁに?美穂子。」
「……意地悪。」
「あはは。そうね、よく出来ましたっ。」
だけど、スキ。
「スキよ、美穂子。」
細くて綺麗な髪に吸い込まれる。
ゆっくり引き寄せられて、キスをする。
「……んっ…私も…スキ…です。」
「―――――っ!かわいい!!」
思わず抱きしめて。
「きゃっ!!上埜さん!?」
「ちがう、久!!」
見詰め合って。
「あ…。」
「ふふ、ま、少しずつ…ね?」
微笑みあう。
「はい。」
「あー。出来れば敬語もそろそろなくしていきましょう?」
少しずつ、少しずつ…。
もっと、近くなって、もっと、スキになる。


とりあえず、勉強の続きをしましょう。
あ、その前に、チョコレートは冷蔵庫にしまって。
勉強が終わったら、夕飯を作って一緒に食べて。
お風呂に入って一緒に寝よう。
そうして、明日の朝、温かい紅茶を入れるから、一緒に飲みましょう。
ひんやりと冷えた二人分のチョコレートと一緒に。


甘い朝を、二人で――。



END



あとがき。
初の部キャプは、バレンタイン物ですb
バレンタイン・キッスをBGMにお楽しみください(笑
そして。
少しでも、意地悪だけど福路さんのことが大好きな上埜さんが表現できてたらいいな!!
少しでも、超可愛くていじられっ子で上埜さんが大好きな福路さんが表現できてたらいいな!!
そんな感じで、ありがとうございました!!
スポンサーサイト


→ 「部キャプ」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2010/02/14
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。