へぶんずぷれいす

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会いたかった



***いとしひと***



「ずっと、話がしたかったんです。」


だから、来てしまったんです。
そう言って、笑って、

「だから、こうやって、お話して、一緒に花火を見て、一緒に帰っている。夢みたいです。」

頬を染めて言葉をつむぐ。
そんな彼女の隣を歩く。

髪を揺らす、風が心地よい。

「そんな大げさね。」

笑いを含んだ声でいう。

「いえ、遠くに引っ越されたのだとだとばかり思っていたので…。」

キセキのようなものです。と言った。
その横顔が、綺麗で、心臓が一つ跳ねるのが分かった。

「キセキ。ね…。」
「はい。」
「それは、ちょっと違うかも。」
「え?」

トクトクトク。

顔を上げた彼女と視線を合わせる。

トクトクトク。

「キセキじゃなくて、こうやって二人で居ることは、必然。」
「………。」
「会うべくしてあった。その方が素敵じゃないかしら?」

ね?と首を傾げる。
赤く染まる頬が、りんごのようで美味しそう。

「はい。」

言葉を紡ぐ唇。
街灯に照らされた笑顔。

トクトクトク

「ねぇ?」

トクトクトク

「はい?」

トクトクトク

期待をしてもいいかしら?
自惚れてもいいかしら?

「私達、付き合っちゃう?」
「………はい?」
「…あれ?」
「…え?」
「…ぷっ…ごめんなさい。」
豆鉄砲を食らったような顔に、思わず噴出してしまった。
急いでしまった。と、反省。
そうよね。と口の中で小さく言って。

「福路さん、好きよ。」
「…………」

目を見開く。
そのまま止まってしまった彼女。

「って、おーい?」
「………は……はい?」
「それ、ちょっと傷つくわね。」
「!?あっあのっ…そのっ…。」
「もう一回だけ。」
「………。」
少し低い位置にある彼女の目線に合わせて屈み、真っ直ぐに伝える。
「あなたの事をもっと知りたい。あなたが好き。付き合ってください。」
「…………。」
「…………。」
そっと、手を取る。
手の平は、しっとりと汗で濡れていた。
「……はい。」
握り返して、微笑みと一緒に一筋流れた涙を、唇で拭って抱きしめた。
「よろしくお願いします。」
腕の中で、律儀な返事。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
きゅぅっと強く抱きしめた。

トクトクトク
トクトクトク

二つの鼓動合わさった。

街灯の光で伸びた影。

満天の星空。


すれ違って、重なり合った。


そんな夜のこと。


END


あとがき
この前、発行した本で、同じようなネタで書きましたが、
別角度のものをちろっと書いてみました。
楽しんでもらえたらうれしいです。
それでは。
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Date:2010/05/05
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