へぶんずぷれいす

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


→ 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ はるみち □

運命2

パーーーンッ
ピストルが、スタートを告げる。
照りつける太陽に、高騰する筈のココロ。
やけに冷め切っている。


―――――メシアを、

―――――私とアナタ。


「………ッ。」


強い眩暈感じて、目頭を押える。
夜、月が見せる夢が、
いつしか、白昼夢となる。
「天王はるかさん。」
不意に横から話しかけられた。
―――誰だっけ。
「貴女、早いんだってね?負けないわよ。」
そう言って、ニッと笑った。
「………。」

『位置について、よーい。』

パーーーン

自由になりたい。
重力を全て振り切り。
風のように…。

―――空へ


『一着 ○×中学校 天王はるか』


あぁ、…つまらない。


身支度を整え終わったとき、不意に後ろから声をかけられた。
エルザ・グレイ。
表彰台に名前を呼ばれる時にわかった。
「本当にあなた早いのね。」
すっきりとしたスマートな言葉で、
エルザは言った。
「………。」
何も言わない僕。
だけど、エルザは、そんなこと気にした風もなく続けてこういった。
「あなたに紹介したい人がいるの。
おいでよ、みちる。」
エルザが振り返り、誰かを呼んだ。
「!!」
後ろから歩み寄ってきた、スケッチブックを両手で持った女の子。


ドクン・・・ドクンドクンドクン。


心臓が痛いくらいに激しくなった。
エルザが、何かを言っている声は、
その音に掻き乱され…。

「あなた、汗一つかいてないのね?
随分、力を抑えているのではなくて?」
その中で、彼女の声は、やけにクリアに聞こえた。
「…どういう意味?」
掠れないように、返事を返す。
「あなた…、風の騒ぐ声が、
聞こえるのではなくて?」
「―――!!」


フラッシュバックする。


沈黙が―――、早く―――
―――出来るのは、―――


――――メシアを、―――
――、私と…あなた―――


「変なやつ。」
バッグを持って、背を向ける。
「で、話って何?」
「絵のモデルをして頂きたいの。」
「パース、そーゆーの好きじゃないんだ。」
そのまま、一度も振り返らずに、
競技場を後にした。


「――――――ッ、ハァハァハァハァ。」
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ。
自室の扉にもたれ掛かる。
激しい動悸、眩暈、息切れ。
「……ハァハァ…ッハァ…だれだ。」

僕は、誰だ。

だれだ、だれだ、だれだ―――


海王みちる。


「ハァ…ハァ…。」
薄暗い部屋。
ベッドに倒れこむ。
「海王みちる…。」


―――メシアを、

―――わたしとあなた


「…………。」
きつく目を閉じた。
もう、何も考えたくなかった。
今は、このまま、眠ってしまおう。


照りつける太陽、
あの青空に憧れる。
僕は、あの青空を翔る。


風に…なりたい。


→ BACK
→ NEXT
スポンサーサイト


→ 「はるみち」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2010/02/12
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。